料理と愛と忍耐

昨日はカツオのたたきを食べた。
今日はサバを焼いた。
明日はサンマが食べたい。
魚はうまし。
みんな魚を食べましょう。
それからシンプルに里芋を煮ものを作りたい。
ネギと豆腐の味噌汁と、
ほうれん草ともやしをごま油とごまであえたやつを、
最近は作った。
レタスと水菜は手でちぎって混ぜて、
すぐ使えるように冷蔵庫に常に置いてある。
ブロッコリーも茹でてあるし、
トマトもレモンも切ってある。
馬鹿みたいにシンプルで、
素材を大切にして、栄養のバランスが良くて、
安くて質素で、それでいて、
とても旨いご飯を覚えて作り続けたいと思った。
近頃は色々と凝りすぎて、味付けもしすぎていて、
ちょっと、私の気分と違う。
料理はこれまでの経験と記憶と発想によるのだと知る。
自分の豊かさを試される。
そして、自分の貧しさに気付かされる。
それでも、ぐっ、と料理をすることに集中すると、
貧しいなりにも、ひらめいたりするのが割りと楽しい。
自由な発見と創造。
料理って、正直言ってとても面倒で、
本を読んだり、映画を観たりする時間が削られて嫌だし、
サボりたくなるのだけど、
どうやったら、楽しく出来るだろうと、
向き合うことで、新しく見えてくる世界もあるのだと思う。
そして、愛を考え、愛を感じるには、
料理が一番実感できることも知る。
料理と関わっていると、「ああ、これが愛なのだな」
と、愛の端っこが見える瞬間がある。
今日も、自分の弱さに押し潰されそうになり、
自己嫌悪に陥るけれど、
私は母親に思い切り最低な自分を見せることで、
何かを確立させようとしているのだと思った。
結局のところ、人生は葛藤と忍耐で出来ている。
近頃、つくづくそう感じている。