水っぽい文章 乾いた文章

正直に言おう。
今日は仕事をサボった。
近頃そんなダメ人間があまり周りに居ないので、
わたしは敢えてダメぶりを露呈してみたくなる。
人は一体どんな気持ちを抱くのだろうかと。
なんとなく風邪っぽくて、
なんとなく仕事に行きたくなくて、
なんとなくベッドに横たわったまま、
起きれなかっただけなんだけど。
まぁ、そんな日もあるわなぁ、
なんて自分にアマアマの自分はわりと嫌いじゃないし。
朝ご飯も食べず、コーヒーだけ入れて、
すぐに自分の部屋に戻り、
ベッドの中で本を読む。
そう、本を読む為に私は休んだのだ。
「そんなめちゃくちゃなことが通るものか」
と、誰かに言われそうだけども、
私はきっとまだまだ子供で、
そんな風にズル休みをしたり、保健室に行っちゃう子供を、
応援する大人になりたいと思うので、
自分でもしてみたくなる。ときどき。半年に一回くらい。
よしもとばなな、高田宏、谷川俊太郎の対談本、
『不思議な三角宇宙』を読む。
私は作家たちの対談本が好きだ。
ミュージシャンのインタヴュー記事とか。
作品とは違う言葉で語られることに、興味があるんだと思う。
対談の内容も興味深いことがたくさん語られていたけれど、
中でもおもしろいと思ったのは、
巻末にあった3人それぞれの書き下ろしのようなページ。
谷川俊太郎の書く文章の美しさというか、
彼の宇宙そのものが丸出しで、
「ああ、そういう匂いなんだよな、この人」
という感じでおもしろかった。
感性とは、美とは、透明とは、宇宙とは、
みたいなことが、頭の中でぐるぐると回って、
酩酊してしまった。
よしもとばななも、やはり素晴らしかったけれど、
印象に残ったのは、谷川俊太郎だった。
読んだすぐ後に寝たら、変な夢をみた。
今までみた事のない夢。
もがくかんじ。現実がどろどろの沼の中みたいで、
どんどん沈んでゆく。喋れない。
多分この感じは、脳卒中や脳溢血かなんかで倒れる時、
意識がなくなる寸前にみる世界だと思った。
苦しくて、訳がわからなくて、
自分でもどんどん狂っていく感じがわかってちょっと怖い、
けど、ちょっと気持ちいい、みたいな。
こないだ、脳溢血で亡くなったやまだ紫さんの旦那さんのブログを
読んだ影響もある気がする。
ダグラス・クープランドの『ジェネレーションX』や、
『ライフ・アフター・ゴッド』で時々描写される、
核爆発の閃光で当たりが真っ白になり、なにもかもが飛ばされて、
熱風で徐々に溶けていく自分みたいな世界ともちょっと通じていたりする。
それは、死ぬ瞬間の、その感じ。
その感じへの憧れようような恍惚のような恐怖のような、
そんな全部が入り混じった世界。
それは人間が体験しうる極限状態。
そういうような文章を書いてみたいなぁ、
なんて思ったりした。
突然話が変って、地元のライブハウスにクラムボンがやってくる。
こんな日もやってくるんだから、生きとくもんだな、
なんて大袈裟に考えてみたくなる。
どうしても『シカゴ』のこの出だしが頭の中をリピートする。
そこが私にとって、クラムボンの全部だったりする。

ひさしぶりに前髪短くやっちゃおうかな。