抜け殻


松阪のターラというお店に初めて行ってきた。
店の前には、数人の若者が過剰にピースフル、かつ、
なんとなく閉鎖的な雰囲気を醸し出しながらたむろしており、
それは私が過去の統計からいって
精神的アレルギー反応が顕著に出てしまう光景で、
入り辛さはいなめなかったけれど、
勇気を出して車を出て、なるべく目を合わせないようにして店に入った。
そういう行動はいくつになっても変らない。
たぶんこれからも知らない人となるべく目は合わせないだろう。
と、自分の弱点を再確認しながら、
店に入ると、そこは今までで一番洗練された民族系癒し空間でした。
塩とか、アロマとか、麻とか、パワーストーンとか、民族系雑貨が
わんさかあって、なんとなく『アルゼンチンババア』を思い出して、
なんか魔女の店だわ〜、と感心した。
そもそも女の人が切り盛りする店というのは、
魔女パワーをかんじる。
すると、おもむろに、ガイア・シンフォニーとか、
麻の力とか、ヒーリングとかの話をしていて、
興味深いけれど、なぜかあまり深入りできない、
そういう関係のお決まりの話題を盗み聞きして、
お香と、小さいポーチを買って店を出た。
後ろに森のような林のようなところがあって、
確かになにか穏やかないい空気が漂っていたけれど、
私は常習できないかんじの場所だった。
それは、亀山の月の庭とも通づるものがあるけれど、
ターラの方がまだマシだった。
店主の念というか、思想が強く場を支配していて、
強ければ強いほど、やんわりとそれ以外を排除しているような、
そんなところ。
まぁ、店というのは、だいたいそういう場所なのだろう。
そういう特徴のある空気を人は感じ取り、
引き寄せられていく。
それが魔女の力。
近頃、そういう物事を無意識の内に考えている。
この世の成り立ち。
人のありよう。
流れ、カタチ。