少年少女


「少年の君に月のかけらをあげたい
 少女の君に優しい音を届けたい」


じっと聞き耳をたてている。
君のことをきちんとわかるように。
君の仕草やそういうことに注意を払って見ている。
最近は「美しい人はそこかしこにいる。」
というモードで、
君たちはどんどん大きくなったらいいと思う。
腐るのもいい。
腐ったらその後に芽がでる。
腐れば腐るほどいい土壌になる。
だから恐れないで欲しい。
この世のたくさんの腐敗を。
腐敗があるから、美しい花が咲くのであって、
腐敗がない世の中には、本当に美しいもの存在しない。
そういう世界だということに気付いて欲しい。
腐ってもいるし、美しくもある。
君の美しさは、腐敗の上にたつ。
そのことを忘れないで欲しい。


「どうか恐れないで」
「大丈夫」
「こわくないよ」


という言葉は、
自分自身に向けられている。
例え人に向けて言っているのだとしても、
それは自分に向けられている。
そういう表現の仕組みを知ったら、
私はどうしたらいいのだろう、
と思う。
汚い言葉も、美しい言葉、
全部人に向けていて、
そして自分に帰ってくる。
完全に排除したいと思っている人がいても、
それは完全に自分の傲慢で、
だとしたら人が人に命令なんてできなくて、
だったらこの世の醜いものに出会ったらどうしたらいいの?
という問いに、
私はこう答える。
「そのままでいい」
そのままで、どうか他人をねじ伏せないように、
腐敗はそのまま腐敗に向わせるの。
そしたら、いつか、どうにかなる。
人間は間違いを起こさないと気付けないの。
そういう生き物だから、
あなたはあなたの夢を観続けたらいい。
それが一番の平和への近道。
夢中になりなさい。
夢の中を泳ぎなさい。
思う存分に遠くに行きなさい。
そして見つけるの。
あなただけの光を。
そしてその光の中を生きるのよ。