息をする

子供の頃は思いもしなかった。
人生がこんなにもややこしいものだなんて。
面倒臭いことや気持ち悪いことに自分が巻き込まれたりするなんて。
それは全部私の精神がややこしく気持ちが悪いことが原因なのだけど。
こんな風に息が出来ない気持ちになると言葉が欲しくなる。
息をする為に。


とはいえ、毎日最悪に不幸かというと、
そういうわけではないのだ。
人間には色んな立場というのがあり、
その色んな立場を生ききるしかない。
そこのことを受け入れた上で、
私の心の底の底の方から薄暗く、流動的に、蠢く、
何かが這い上がってくるときがある。
昔はそれがなんなのかとたくさん凝視していたものだけど、
今はそういう事がほとんど無くなった。
愛情を注ぎ合う相手がいるからかもしれない。
でもその事も単純にはいかなくて、
とても面倒な状況も伴っているので、
そのノイズみたいな、テレビで言う砂嵐みたいな部分が
私の中で瞬間的に「ジジジ」と響くたびに、
昔の暗い塊が底の底の方から「ズズズ」と這い出してくるようなのだ。
やはり私の本質は真っ黒い闇なのだろう。
闇に反応し、闇と共に生きる。
光を浴び過ぎると、どうしても酸欠みたいになる。
実は光が届かない深海は栄養が豊富でみんなが知らない楽園だったりして。
という妄想にふける。