弱り目に祟り目

ひさびさの史上最悪の1日だった。
愚痴ったら負けだと思うので、
詳しい事は誰にも言わない。
ただ、悔しくて泣きそうになる。
絶望的な顔をしてる気がしたので、
笑わなきゃと、無理やり微笑みながら、
料理をしていたら、わりといい気分になって、
調子に乗ったら、包丁で指を切った。
血がドバドバでて、
それを凝視してたら、
気が遠くなり、貧血みたいになって、
椅子にすわってじっと耐えていたら、
なんとか持ちなおす。
なんだろう。この見事な底ぶり。
落ちて落ちてとことん落ちたら、
もう上がるしかないので、
きっと明日はだいじょうぶとか、
ひとりで思い込んで、
なんとかこの精神的谷底の時期を
乗り越えようとしている。
自分の意思ではどうにもならない、
精神的な波というのは、きっと存在する。
それは、怠けているとか、弱いとかではなくて、
誰しもがなぜだか、なにもかも不調になる時期、
というのがあるのだ。
私だけではない。
私が今見ているこの心象風景は、
多くの人間が経験している、もしくはすること。
そして、この人生の底を眺める経験は、
きっとよりいい人生を歩むために、
20代に必要なもので、もしここで目をつぶったり、
逃げたしても、結局また違う形となって現れて、
ぶつかる問題なので、
ここで、どーんと真正面から取っ組み合うつもり。
この世の不幸や悲しみや弱さを思い切り凝視して、
その正体を突き止めてやろう。