Flashback

ドラッグによる幻覚だけではなく、
人っていうのは、普通に生きてても、
時々フラッシュバックするんではないかと思う。
突然湧き起こる世界や、
見える風景、響き出すメロディ。
そういうのをいちいち残しておこうとする行為は、
人として健全な行動だと思う。
聞き訳がよく、育てやすかった子供は、
社会に出てから、なにかしら精神に問題が起きるんだそうだ。
状況を把握して、本音を誤魔化したり、
簡単に自分に嘘をつける子供は、
やはり大人になってから、
ちゃんとつまずく。
そのまま人生がすんなり終わる訳がないのだ。
今思えばそういうことは理解出来るけれど、
子供の頃はよくわからない。
とりあえず、自分が我慢すれば、
全てはうまくいくと思ってしまう。
そういう子供がいなくなればいいけれど、
やはり、大人は見逃すし、
他人の本音など見分けるはずがない。
人は基本的に自分の事で精一杯なのだ。
余裕がない。
自分で自分を自力で取り戻せる表現がいいと思う。
自分に還ることができたら、
人は思い出せる。
突然浮かんだ心の風景を留めていく。
そしたら何かわかるのかもしれない。
自己満足でいい。
何かと追いかけっこしているようなものなので、
一生満たされることはないかもしれないが、
それでも、少し苦しいところで、
生き続けることを選び続けるのだろう。