祈り


もうすぐクリスマスってことが
関係しているのかしてないのか、
私は人間の祈る姿が一番好きかもしれないと、
ふと思った。
仏教でも、神道でも、キリスト教でも、
人は祈る。
祈りの先にあるものは、多分同じだ。
この世はなぜか、言葉が違うのと同じぐらい、
人は神様との繋がり方も違う。
でも、本当はみんな同じ。
子供の頃、弾けないのに、
なぜか欲しいとせがんで、
買ってもらったキーボードで弾いてたのは、
でっかいクリスマスツリーの横で、
きよしこの夜。
繰り返し繰り返し、人差し指で弾いてると、
とても気持ちがよくなったものだ。
そんなことを思い出してみると、
気持ちが、すっ、と浄化される想いだ。
無意識にきよしこの夜を弾いていたけど、
私は、清らかな世界がとても好きなのだ。
命というものに、原風景があるとすると、
私はすごく美しい世界を抱腹して
この世に出てきた気がする。
本当に、泣けるぐらいに、キレイなのだ。
そのキレイな世界をより鮮明に思い出せるように、
私はこの世でずっとそのカケラのようなものを、
探し続けている。
いつまでたっても、何かが足りなくて、
満たされないのはそのせい。
思い出して、見つけたら、ちゃんと自分のものになるように、
そして、私もこの世に提示できるようにしたい。
「こうでしょ」
って。
そしたら、私が人からいつも貰っているものを、
私も誰かにあげる事ができるかもしれないから。
もう嘘つかないでいいし、
照れなくてもいいし、
強がったりする必要もない。
そのままで。
そのままが一番難しいのだけど、
ふとした瞬間、君は油断して、
そのままのカケラをこの世にちゃんと表してる。
その一瞬を見逃さないように、
ずっと見つめ続けるよ。