腐る

腐る、腐る、腐る、腐る。
自分が腐敗しきっている現実が、
突然目の前にドーンと突きつけられ、
なんか、ちょっとしたパニックに陥る。
いつの間に、こんなにぐちゃぐちゃした
気味の悪い思考回路と感受性を創り上げてしまったんだろうと、
愕然とする。
だから本とか音楽っていうのは素晴らしいんだと思う。
今この場所から、一人の人間の世界が変わることがある。
そういう力を持つ作品が本当の創造なのだと思う。
一種の生命の危機を感じた。
私という人間がいつの間にか殺されかけている。
生きていない。
死んでる。
環境や、生活リズムの一定化や、
周囲の人間の思考回路に徐々に馴染んでしまっていた。
それで別にいいじゃないのかと言えばいいのだけど、
私は、死んでると思って、非常に焦ったのだ。
しかも精神状態もこの頃非常に悪い。
じゃあ一体何をすればいいのかと言えば、
やっぱり全然わからないのだけど、
ただ、目覚めていなければらならないと、
そう思ったのだ。
目覚めているためには、
常に自分の内側と外側に注意深くして、
言動の矛盾をなくしてゆくことだ。
訳の分からない塊が湧き出ていてしんどい。
この塊を外に出すための技術が私にはない。
だから、他人の世界をのぞくのだ。
ああ、苦しい。
ただ大声で叫びたい。
言葉はいらない。
ただ、わーっと地団駄踏んで転げまわりたいような、
そんな心情。
歳をとればとるほどに、
私は変になる。
つまり私の本質が変なのだろう。