東京と私

都会に住んだことのある雑貨屋のお姉さん達と、
都会で見たことのある芸能人について話をしていたのだけど、
私はちっとも覚えていなかった。
多分、何人か見ているはずなのだけど、
全然記憶に残っていなくて、
なんだかつまらない人になってしまって申し訳なく思った。
時々、東京で暮らした、
あの4年間をふと思い出したりするのだけど、
私にとってどういう時間だったのかなぁと思ったりする。
とりあえず、人間がとても楽しいと思った。
明るくて優しくてみんな何事においても、
常にエネルギッシュで、
思い切り楽しむことを優先している感じがして、
それに私も感化され、いつも楽しいことを追い求めていた。
友達だって簡単に出来たし、
人見知りもしなかった。
多分それは私の恵まれた人との出会いもあいまって、
私は東京のことを思う時、
かなり親密な気持ちを込めて思う。
それでも、今はもう私の居場所はそこにはないことが、
痛いほどわかる。
私の居場所はこの街だ。
この家で、この家族で、あの職場で、あのお店で、あの人たちと
関わり合って生きてゆくのだ。
誰でもない、そう私が決めたのだ。
10年後も変らずに私が私として居ること。
環境の変化はあっても、
私の芯の部分は変る事はない。
その芯の実態に本人が気付いていようと、いなかろうと、
誰にも変えることはできない。
くるりの『東京』と『赤い電車
私の大学時代のイメージは見事にこの二曲に彩られていて、
さわやかな記憶となっている。
嫌なこともたくさんあっただろうに、
ほんとうに、もうちっとも覚えていない。
人間て上手い事出来てるなぁ。