崖の上の半魚人

ポニョとかみてみた。
公開当時なんか賛否両論あった映画だったけれど、
なるほどこりゃあ賛否両論あるわな、
という感じだった。
私なんかどんなに世間的に駄作と言われている作品だろうと、
いいところを見つけようと頑張ろうとする人なので、
(ちなみにその努力の真意は、監督への心配りというよりも、
私の人生に起きた2時間に価値をなんとか産みだそうとする
自己中心的な気持ちの方が強いと思う。
ある意味貧乏性だとも言える。)
ただ絵がきれいとか、ポニョかわいいとか、
そんなことで観てよかったと十分思えたりする。
それ以外で心に残ったところは、
ホットミルクにはちみつ入れて飲むところとか、
即席めんを食べるところとかで、
単純に人間に産まれてきてよかったなぁ、と思えたりして、
そういう見せ方が私は素晴らしいなと思った。
それと、ポニョを観ていると、
なんとなく奈良美智の書く女の子を思い出したりして、
日本のアニメと現代美術の精神は、
幼い女の子で繋がってるのかしらと思ったりもして、
去年の夏に上野美術館で観た、
ネオテニージャパンとも通ずるものを感じたりした。
ともあれ、ジブリの底力もよく現れていたように思う。
時代とかエコとか世の中が求めているものとか、
そういうものを感知した上で、
吐き出している作品なんだろなとも思った。
しかしやっぱり、ボーイミーツガールという
永遠のテーマは不滅だ。
ボーイミーツガールという普遍的な奇跡によって
世界は何度でもやり直せるし立ち直るのだろう。