ドラ野郎

なんで時々ケンカしてるのかなぁと、
外に猫の様子を観にいってみると、
ドラりんがうちの猫〈ゆきちゃん〉に
覆いかぶさっていていて、
うーうー唸っているのだった。
あの丸くてかわいらしいトラ猫が、
もうメスでなくなったうちの猫ちゃんの
首根っこに噛み付いている姿は、
勘違いした間抜けなオスであり、かつ、
けがわらしいケダモノそのものであった。
あだ名もすぐさまドラりんからドラ野郎に変更させて頂いた。
しかもドラ野郎は相当汚いらしく、ドラ野郎とひと悶着を終えた、
ゆきちゃんは自慢の真っ白な体毛がすでに鉛色に変色していた。
うちの母親も窓から現場を目撃してしまい、
「うちの生娘が!」と、発狂しかかっていた。
もはや野蛮な憎きドラ野郎である。
ほとんどレイプ魔に対する感情に近い。
全ての女性の敵だ。
明日からドラ野郎を庭で見かけたら
ほうきを持っておかけ回すことにした。
暇だし。