ドン詰まりのその先へ

久しぶりに飲み過ぎる。
二日酔いのときの体調不良具合と、自己嫌悪感は
人生で一番味わいたくない類の時間だ。
もうそろそろ酒の止めどころを知っていても
おかしくない年齢なのに、まだやっている。
飲み過ぎる→後悔する→忘れる→飲み過ぎる
この循環をあと何回繰り返せばいいんだろう。
もうこれで最後にしたい。→忘れる。
 
人生で一番心が内向きになっていた時期に住んでいた場所に、
私は再びいる。
さっぱりクリアになりたいといつも考えていたあの頃。
お金とか、物とか、世の中の常識であるとか、
そういう諸々のものを出来るだけ排除して、
その先に自分には何が残るんだろうと考えていた。
私という人間は一体何を求めていて、
何を考え、何を感じるのか、という部分を、
ストイックにどんどん突き詰めたかった時期だ。
どういう風にやればいいのかわからなくて、
ただ、いつもパンパンに膨らんでいたような気がする。
針で刺せば、すぐにしぼんでしまう、そういう脆い存在。
今も、さして変わりはしないような気もするけれど、
随分変わったような気もする。
どんどん、自分が自分に戻っている、
という感覚はぼんやりとではあるけれど、掴めているので、
あの頃のように、半狂乱になったりはしないのだろう。
人の仕組みであるとか、世の中の仕組み、
また、人生の仕組み。
色々な仕組みや流れで世の中は流動的に動いていて、
私も、それの一部分であると理解した瞬間、
焦ることなど何一つないのだと気がついた。
私は気がついたり、学んだりするのが、本当に遅い。
しかし、私は私のペースで日々着実に、
何かを掴んでいるのであって、それは人にも言えることだろう。
人には人のペースがある。
他人が囃し立てたりしても、何も変りはしない。
ほっといて、見守るだけだ。
他人も自分も。

ただ、何かにつまずいたり、ぶつかったりしながらも、
どこかに向かっているんだとそう思いたい。
これからも変化し続けて、
新しい発見をまた積み重ねていって、
見たことのない光景を見にいくんだと。
みんながそういう生き物で、ふらふらと漂っていて、
ここにたまたま集まってきて、
そういうことを意識しながら、
これから音楽を流しに行こうと思った。