妊婦さん

昔はちゃらちゃらして、
夜遊びを繰り返して親に度々心配をかけていたんであろう娘も、
子供ができて、妊娠すると、
ちゃんとお母さんの顔になるからすごいなぁと思う。
 
妊婦さんを見てると、牛とか猫とか馬とか犬とか、
とにかく人間もれっきとした動物なんだよなぁ、
という、原初的な感慨も持つ。
生臭いというか、ぐちゃっとした、べたっとした感覚。
なんか怖くて、何かがわかってしまいそうで、
そうならなくてはいけなくて、心が不安定になる。
普段はだいぶ後方に追いやられている美意識が喚起して、
色々なことがどうでもよくなってくる。

些細な問題に日々振り回されすぎなのではないか、
という感覚。
 
そもそも私はひとよりも些細な問題に振り回されていないとは
思っているのだけど、
それでも、時々変な穴にはまって、抜け出せずに、
そこに固執して居続けてしまうことがある。
たぶん体調とか、環境とかからくる何かが原因だけど、
そういう時、ちょっと自分に女を感じたりする。
 
よしもとばななの『イルカ』とか、
内田春菊の『私たちは増殖している』とか、
そういう気分。
 
どうでもいいやー
と、思ったらなんでも出来る気もするから不思議。