愛と言うにはちょっと足りない

誰かがそこでそうして居てくれるから、
誰かがそこでそういう風に考えていてくれるから、
誰かがそこでそれを表してくれるから、
私はもう一人きりで、世界のバランスをとるために、
苦しまなくても済むんだなぁ、と思わせてくれる、
出会いがまれにある。
誰かが全部を肩代わりしてくれるのだ。
そういう時、途方もない自由と、
底知れない愛を感じてしまったりする。
 
“愛と言うにはちょっと足りない”
ほぼ日の『モテキ』という漫画の座談会に、
糸井さんが付けたタイトルである。
とてもよい。
思い当たる節がいくつかある。
愛と言うにはちょっと足りないこと。
打算や計算、色々なことが混じりあって、
人は人に関心を持つ。
魂ではなくて頭で判断する。
他人を分析し、損得を計算して、
好きという気持ちを盛り上げて、思い込ませる。
 
どんな風景を信じているかだと思う。
1mmも疑うことなく。
人生はそれを常に試されている