抽斗

タイトルは<ひきだし>と読みます。
勉強になります。
 
『1Q84』2巻も読み終えました。
おもしろかったー。こんなにおもしろい本があってよいのだろうか。
普通に3巻を買ってしまいそうな勢い。
こういった類の本て、必要な人と、そんなに必要でない人がいるように
思うんだけど、私は確実に必要な人に含まれている。
それをすごく実感する。
「まだやっている」と言った人は多分そんなに必要がないのだ。
つまりそれはある意味、幸せなことのような気もする。
どうしても見えてしまう世界があるのだ。
そして、どうしても重いものを背負わなければならないことがある。
『1Q84』を読んで、
どうして苦しんだろう。どうして理不尽なんだろう。どうして…。
という疑問がある程度解決した。
美しいとは均衡が取れていると言うことだ。
片方に偏っていないと言うことだ。
何事も偏るとあまりよくない。
カウンターがくる。
何かの能力と引き換えに何かを失う。
そういった暗黙の取り引きが、本人が望もうが、望まなかろうが、
関係なく行われる。
それが平穏な世界の均衡を保つ唯一の方法なのだ。
とにかくいい夏の読書だった。
現実と非現実がうまい具合に溶け合って、世界に奥行きが出る。
今までうまく伸ばせなかった箇所が、ぐっと伸びる。
音楽が出来ないことが、文章にはちゃんとある。
途中で、はっ、となり、本から目を離し、しばらく宙を見つめ、
もう一度読み返す箇所が多々あった。
知らないことがまだまだある。
秘密はまだまだ眠っている。
まるで暗号のように、わかる人がわかればいいという類のことが、
さりげなく混じっているような、そんな文章に出会いたいと、
心から願って居るのだ。