単なるミーハー

最近漫画ばかり読んでいる。
美内すずえガラスの仮面』、岡野玲子『The Colling』
ガラスの仮面』は相変わらずおもしろい。
それは『スラムダンク』がおもしろいのと似てる。
演劇とバスケ、材料は違えど、どちらも天才と努力の物語だ。
私は天才でもないしどちらかというと怠け者なので、
漫画のおかげでそういう人々の精神を味わう事が出来る。
5年おきぐらいに内容がぼんやりとなったら読み返したくなる類いの漫画だ。
『The Colling』は初めて読んだけども衝撃だった。
読んでよかった。また大切な漫画が増えた。
1巻の最後の解説によしもとばななが起用されているのだけど、
その文章がまたとてもよかった。
いつ、どのタイミングでも、よしもとばななは、
よしもとばななだなぁ、と思う。
金太郎飴みたいなものだ。切っても切っても同じ柄、同じ味。
そしてよしもとばななは、解説の中でも珠玉の一文を残していた。
以下抜粋。
 
“男と女はどうして結婚するのか、それはやはり経済の為でも恋愛の為でもない、
くみ合わさって初めて見る事の出来る人間の精神性のひとつ高い次元を見て、
ほかの形では知りえない感情を知るためなのだ”
 
はーなるほどー。
 
これから結婚する、もしくは結婚してる人たち全てに送りたい言葉。
結婚して得することあるのかとか、結婚したら自由にならないとか、
そういう自分の都合しか考えられない幼稚な人たちがたくさんいるけれども
(私も含め)結婚て本来そういうもんだよなーと思ったのだ。
しかしそういう感覚を掴んで結婚する人が一体どれだけ世の中にいるんだろうか。
離婚が世の中蔓延しているのは、
そういう感覚に対する無自覚な結婚が原因だったりするのではないだろうか。
ひとりで居ればいつも自分の中だけで完結している世界も、
誰かと生活をともにする事で違う世界が見えてくるのだろう。
嫌なことも良いことも。
人間が人間として成長するためには必ず他者が必要なのだ。
だから私たちは世の中に飛び込んでいく。
雑然とした、支離滅裂な世界に。
傷ついたり、傷つけたり、愛したり、恨んだりして、
いろんな感情を生で知るのだ。より深くより広い人間になるために。
ほとんどその為だけだ。
いつも抱えている鬱屈としたその世界が、
いつかぐるっと180度回転して昇華されるときがくる。
そういう出会いを経験すると、人の表現とは果てしなくどこまでも自由で偉大だと
思わずにいられない。
 
下品で、退屈で、発展性のない思想を我がもの顔で振りかざす男たちほど、
みっともないものはない。
うんざりする。
どうしようもない憎しみが湧いてきて、どうにかしたくなる。
そして自分の中のとんでもない冷酷さや野蛮さに気がつくのだ。
そう、人はどこまでも矛盾している。
表と裏、光と陰、男と女はどこまでも同じだ。
くりかえしくりかえし、続いていく。
世界は夜空に輝く星と同じ数の物語で出来ている。
 
話は突然かわって、
今度、戸川純とミドリの後藤まりこが一緒にライブするらしい。
東京に住んでたら絶対行ってたなー。