もう間違えない

実は子どもの頃から必死に戦っていたんだなーと、
なんとなく思った。
 
家族のそれぞれの性質を読んで、
それに合わせたり、反発したり、
そんなのを繰り返して今に至る。
学校に行けば同じ教室の子ども達の顔色をうかがって、
目立たないように心がけていた。
同化しなくてはいけないと思った。
自分をなくせば全部うまく行くと思った。
そしたら変な人ができた。
よくわからない、芯のない、透明の、ただこの世を浮遊する何かだった。
それは、幽霊とかお化けとかそういうものに似ていた。
お化けになったことは、不思議と悲しくなかった。
ただ、お腹の中がからっぽで、体が透けていた。
誰も気付いてないようだった。
それは私が望んでいたことだった。
望んでいたことだった。
それなのに、こんなにもうまく笑えないのはどうしてだろう。
 
そんな風におもってから随分たつ。
私はだいぶ私に戻ってきつつある。
それに20代を費やしているといってもいいだろう。
もっとやれる。
違う世界が見える。
自分なりに納得できる世界を見れる。
 
戦いはまだまだこれからだ。
私は私のぺースでこの世界をやっていこう。