夢を喰い続けた男

植木等の『夢を喰い続けた男 おやじ徹誠一代記』を読む。
主に植木等のお父さんの話だ。
ミキモトに勤めていたこととか、
部落解放に運動に参加していたこととか、
キリスト教の洗礼を受けていたりとか、
お寺の住職になったりとか、
社会主義運動に参加したりとか、
とにかく、なんだか個人的にすごく興味が惹かれるなお父さんなのだ。
とんでもなく人間らしい人間。
 
なんとなく、宮沢賢治を彷彿とするのは、
多分ほんとうにいつも全ての人間が幸せになることを考えていて、
実際に問題あれば自ら渦中に飛び込んでいく実行力を伴っていた人だからだと思う。
 
戦地に向かう兵隊さんに、
「戦争は大量殺人をするところだ。絶対に死なないで帰ってこい」
というような人。
人間は産まれながらにして平等であることを説き、
部落差別問題に飛び込んでいった人。
そして投獄されながらも、時代の波に真っ正面から立ち向かった人だ。
 
常に弱者の立場にたってものごとを考えるということ。
普通に生きていたら忘れてしまいがちな、
そんな当たり前ことが大切なんだと改めて考えさせられる。
 
明日はゲゲゲの女房が最終回ということで、
なぜかTBSで水木夫妻の特番があったので観た。
やっぱり郷里愛って大事だな、と思った。
御木本幸吉も、植木徹誠も、水木しげるも、
生まれ育った場所を無条件に愛していて、
その感じはやっぱり私にも必要だとそう思った。
 
たしかに私はこの土地で育んでもらっている。
のびのびと生きていて、いつも守られている。
 
その感覚は、親に感謝すること、産まれた土地を愛すことに、
繋がっていく。
やっぱり人としてちゃんとしようと思う。
まず、ちゃんとすることから始めよう。
 
育まれすぎて、最近太ってきた。
非常にまずい。痩せよう。

夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記 (朝日文庫 う 3-2)

夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記 (朝日文庫 う 3-2)