maboroshi no hukei

山に登ったあとに、奥まゆみさんの作品を観に、
紀伊長島のゆうがく邸に向かった。
NPO団体の方が、芸術家の人たちに滞在してもらえるように、
部屋を提供したりしているそうだ。
時々、イベントをしたりしているところ。
 
作品は2点展示してあった。
ひとつは「Anticipation-けはい」
もうひとつは「Something-なにか」
どちらも参加型の作品だ。
 
場所はとても風通りの良い場所で、
風が常に通り過ぎ、自然と解けあうような心地の良い音楽がかかっている。
 
ふたつとも絶対に都会ではできない作品だった。
 
そしてどちらも素晴らしいメッセージがあり、
(それはけして難解なものではなく、子どもでもわかるとてもわかりやすいもの)
そしてその内容を知らなくてただ見つめていたとしても美しく、
心に訴えてくる世界があった。
 
言葉でもなく、音楽でもない、世界。
でもそこから言葉や音楽が溢れてきそうな世界。
 
そういった生命力のある作品と対峙するとき、
途方もない幸せを感じるのだった。
 
たったひとりで感じる類いの世界かもしれないけれど、
そこには悲壮な孤独感は感じられない。
どこまでも自由でそして崇高な孤独だ。
そういう世界をどんどん膨らませていくことで、
わかることもあるんだと、そう思う。
 
「もうすぐ作家さんが帰ってきますよ。」
と、教えてくれたので作品をぼんやりと眺めながら待っていた。
 
現れた奥さんはとてもかわいらしく気さくな方だった。
色々ととりとめのない話をして、写真も一緒に撮ってもらったりして、
家に帰った。
 
三重県に産まれてよかったなー、
と、しみじみ感じることのできた一日だった。
私がこの土地で見たいことは、
きっとこういうことだなと思ったのだった
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日向でゴロゴロする我が家の猫ちゃん。