カプセル

例えば、私たちはカプセルに入ってこの世を漂っているようなものだ。
いつもカプセルの中から外の様子を伺ってのぞいている。
カプセルの天井はカプセルに入らないとみえない。
つまり自分のカプセルの天井に映し出される模様は自分にしか見えていない。
だからカプセルの天井の模様をどんどん書き写していく。
その作業にどんな意味があるかはわからない。
ただ自分が満足する。
それでいいんだと思う。
 
私のカプセルの天井に映し出される模様は、
自分でコントロールできるようでできない。
勝手にどんどん更新されていく。
ぼんやりと、でもくっきりとそこに世界が展開されていく。
この景色は誰が見せてくれているんだろう。
どうも自分自身がみようとしているのではない気がする。
それは眠っている時にみる夢に近い。
勝手に見えてしまうもの。
それこそが、その人が世界に表すべきもの。
その辺に人間の創作の秘密か隠されているのではないかと思う。
見えたのなら出すしかない。
自分なりの形で。
ただデッサン力が欲しいと思う。
確実に正確に表す力。
目の前にあるそれを書き出す力。
頭の中にあるそれを書き出す力。
 
改めて思う。人間がやるべきことは2点だけだ。
想像することと、創造すること。