ココロの景色

佐野洋子対談集 人生のきほん

佐野洋子対談集 人生のきほん

佐野洋子さん、リリー・フランキーさん、西原理恵子さんの対談集「人生のきほん」を読む。
とてもおもしろかった。
お三方とも武蔵野美術大学を卒業されており、
地方出身者であり、荒々しい環境で育ったというのが共通しているので、
とても気が合うようだった。
私もムサビ行きたかったな〜と、
人生の選択を今更後悔してもしょうがないのだけど、
もう少しあそこで粘っておけば、という気持ちはないわけではない。
まぁ、私のそんな気持ちはどうでもよく、
お三方の人生観というか、価値観はすごく勉強になった。
泥の中から這い上がっていくエネルギーを感じた。


子供から大人へと成長するということは、
自分のことが自分で解るということで、
つまり他者に対する態度や思考が一貫してるというのが大人だと思っている。
その点において、私は一向に大人に成ることはできていない。


この世の成り立ちの奥深い所がみえてくる。
大勢から求められるもの、世の中で流行るもの、無知の大衆をまどわすもの。
これら全ては個人が自由を謳歌する力を剥奪している。
エネルギーをスポイルしているという一面を持つということ。


それで成立する世界もあるだろう。
満足感を得る人々もいるだろう。むしろそういう人間が大多数だ。


しかし、私はそろそろそういったものに背を向けたい。
そういったものの魅力を充分に理解しておきながら、
私はもうなんの魅力も感じることができないのだった。


これは病気のひとつの症状なのだろうか。
それとも真実なのだろうか。


真実は十人十色ある。
私の真実はだれからも理解されないものだとしても、
私だけのものである。


そういった世界を放つことにより、
どこかのだれかの暗闇に光が届く事を切に願っている。