希望のしくみ

希望のしくみ (宝島社新書)

希望のしくみ (宝島社新書)

こないだ絵描きの30代ニートに借してもらった本、
アルボムッレ・スマナサーラさんと養老孟司さんの「希望のしくみ」。
これが、ものすごくおもしろかった。
仏教ってこんなにおもしろくてすごいんだ!と人生で初めて感動した。
無常という概念が、すっと内側に入ってきて、
こんなにもエネルギーを与えてもらえるとは思わなかった。
知らず知らずのうちに「変わらない」と思い込んでいるから、
苦しんでいたんだと気付かされた瞬間だった。
いつの間にかがんじがらめになっている思考のプログラムを取り外していく事の中にしか、
心の平安や、自由はない。
でも、それには日頃、自分がいかに絡めとられているか、
ということを自覚しなくてはいけない。
ひとつずつ丁寧に丁寧にプログラムを取り外していくと、
丸裸の自分が現れる。
それは何者でもなく、ただぽかんと、地球に漂っている魂だ。
それを日々取り戻す訓練を積み重ねる。
修行はひとりで淡々と行う事ができる。
生きていくこと、死んでいくこと。
その間に解りたいこと、言いたいことは、
実にシンプルで簡潔なものだと思った。
「真理」というと胡散臭くなってしまうけれど、
それは拍子抜けするぐらいに簡単で、美しくて、ユニークであたたかいものなのではないかと、
思うのだ。

これだから人生はおもしろい。
どんな状況に陥ろうとも、
どんな思考に絡めとられて苦しもうとも、
全てただ知るためだけに、より深い世界を理解する為に与えられたものなのだと思う。
次のステージに行くために必要なことで、
それは人生の模様となり、物語の一部分としてそこにある。