物語りを物語ること

ユングブッダはとても似ているということを知る。
私たちの奥の奥のほうには何があるのかということ。
そこにある景色は、感覚は、世界は、
言葉でどのように表現されるべきなのかということ。


私はひとつの到達すべき地点にやっとやってきたように思う。
自分のことを疑って、疑って、その先に見えたものがあり、
いや、それでも、とまた疑い続けることで、
それは確信に変わる。
つまりそれは、私自身にとって真理だ。
ぐるぐると巡り巡って、私はまた戻ってくる。
でも前とは少し違う感覚でここにいる。
余裕が出て、その状態が当たり前に近くなっている。
その心の置き場から発する言葉が一番自然になっている。
それは誰のものでもなく、自分のものだ。
いや、様々な人間が通過した地点だ。


言うなれば、私はまだここにいる。
まだここまでしか来ていない。
世の中にはもっと解るべきことがある。
より深く確かなものにしなくてはいけない。
そうしないと、表されない言葉がある。


私はもうどこにも行かないだろう。
誰のものでもないし、何ものでもない。
ゆっくりと息をして、世の中を眺めるだけの目になろう。
この世を、人の心を照らす光になろう。
世界は明らかにされるべきだし、発見すべきだし、
分かち合うべきものだ。
そんな風にして私たちはより多くの人々が深化をし、進化をする。


地球上に未開の地はまだあった。
それならば、人の心にもいくらでもあるだろう。
誰も語っていない言葉を、物語を、
私たちは紡いでいく必要があるのだ。