ゆらぎ

善をつくりだすのも、悪をつくりだすのも、人間だけだ。
私の中で善と悪のあいだをゆらぎ、
その時、その時の光景が広がる。
そのゆらぎのもっと深いところ。
そこにいつも居れたら、私はなにも悶えなくとも済むのだと思う。


ぐにゃり、ぐにゃりと、
世界は変容し、ああでもない、こうでもないと、
つかみ所が無く蠢いている。


全てを吞み込みたいとおもう。
嫌なところも、醜いところも、矛盾も。
ごっくんと吞み込んで、
にっこりしていたい。


そういう大きなものになりたい。
枝を風に揺らせながら、
全然大丈夫な顔をして、
漫然と生きたい。


私はずうずうしく生きる。
ずうずうしく、かつ控えめに、
みんなを吞み込んで、
にっこりして居たいと、
そう思うのだ。