こいわずらい

なんとなく、にっちもさっちもいかない気持ちになって、
「うわーーーーーー」っと叫ぶなにかが私の頭の中やってきて、
まずいまずいまずいまずい、となったときに、
ふと目に留まったのが部屋の床に置いてあった、
最近なんとなく友達に借りたクラムボンのベスト。
酸素ボンベを求めるランナーのごとく慌ててパソコンにCD入れて聴いたところ、
にっちもさっちもいかなかった何かがすーっとどこかに消えて、
山の上の空気みたいに、澄み切った世界で満たされた。
やっぱりクラムボンはすごい。


ここのところクラムボンを聴く気になれなかったのだけど、
それは、きっとこっちが色々と情報や感情を溜め込んでて薄汚れた精神だったので、
なにか後ろめたい気分になっていたからなのだと思った。
クラムボンの曲は網羅していると思っていたら、
「恋わずらい」という知らない曲が入っていた。
しかもそれがめちゃくちゃいい曲で、
知らない意味がわからない感じだったけど、
出会えてよかった、ほんとうに。
というか、もっと早くに出会いたかった。
あの頃の全てを歌っている曲だったから。
あと「ミラーボール」という曲も知らなかったなぁ。


「僕にそんなにもとめないでよ 君をきらいになりたくないのに

 ねぇ僕はそんなにきれいじゃないよ 君の思いこむ僕は僕じゃない

 僕をそんな目で見つめないでよ もう君をちゃんとは見れなくなるから

 僕にそんなに優しくしないでよ そんなのちっとも優しさじゃない

 恋をわずらうなんて ひどくわずらわしいこと

 恋をしてしまうなんて 思いもしなかったこと

 恋をわずらうひとと 恋がわずらわしかったひと

 それでも会いたいなら これを何と呼べばいい?」


ほんと、なんで今さら出会ってんだろう?
なになんなの?これ。




この曲をもっと早くに知っていたらあの時もっとうまくやってた自信ある。
完全に相手のペースに飲み込まれて、ぐちゃぐちゃになってたもんな。
それにしてもこの曲を知って原田郁子さんはほんとにすごいと思った。
素晴らしすぎる。
女として人間として表現者としてますます尊敬。