ほしめぐりのうた


星めぐりの歌

 作詞作曲・宮沢賢治 

 あかいめだまの さそり
 ひろげたわしの つばさ
 あをいめだまの 小いぬ
 ひかりのへびの とぐろ
 オリオンは高く うたひ
 つゆとしもとを おとす

 アンドロメダの くもは
 さかなのくちの かたち
 大ぐまのあしを きたに
 いつつのばした ところ
 小熊のひたいの うへは
 そらのめぐりの めあて


テレビで「宮沢賢治の音楽会」というのをやっていたので観る。
東北の震災で苦境に立たされた多くの人々の心の拠り所になったのは、
宮沢賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」という詩だった。
これは間違いないだろう。
いくらチャリティライブとかなんとか言って、
若い人達がおろおろしながら頑張ったところで、
宮沢賢治が残した詩の大きさや力強さそして美しさ、
そして決定的なまでの普遍さに勝るものはない。


改めて宮沢賢治の宇宙を感じたのだった。
自分が産まれ育ったところを、
理想郷だと言い、自然から数々のインスピレーションを得て、
素晴らしい作品を次々と産み落とし、
若くして亡くなった宮沢賢治
言葉の楽しさ、物語の美しさ、生き方の真っすぐさに、
日本人の魂の自由さがありありと見てとれる。


河原の石や川の水面に、
高原を吹き抜く風に、
夜空に散らばる星たちに、
彼は言葉を与え、命を与えたのだった。


プラネタリウム、ドフトエフスキー、宮沢賢治
宇宙の暗闇、星のあかり、魂のおいしいところ、
それさえ持っていれば、
ワクワクしながら人生を歩めるのではないかと、
思ったりした。


全ての言葉の羅列の奥底には音楽が流れている。


【追記】


この流れで、キセルの「ベガ」と、
はっぴいえんどの「しんしんしん」が聴きたくなったので、
とりあえず貼っておく。