彼女は軽々と世界を飛び越える

芥川賞受賞記者会見で、終始不機嫌なやりとりが話題になった、
田中慎弥さんの「共喰い」が掲載されている文藝春秋を買った。
そして読みました。
言葉で紡ぐ濃密な世界。
地方に暮らす地方の話し。
豊かな下関の方言。
方言だからこその人間の生々しさ瑞々しさが表現されていた。
私はやはり地方に暮らす人々のリアルが、
リアルとして響いてくるのだ。
それは地方に住む1人の人間として何か救われる気持ちなのだ。
賛否両論あるだろう。
しかし表現とはそういうものだ。
全ての人間から好かれる表現なんてありはしない。
わたしはテレビから受ける田中さんの印象が、
全く嫌な感じがしなかった。
あんなに態度悪いのに全然嫌じゃなかった。
それが不思議だったので読んでみたのだけど、
やっぱり小説も嫌じゃなかった。
ちょうど10歳年上で同じ誕生日の田中さんを、
私はなんとなく親近感を抱いて見ている。