たくさんのせかい

この世界にはたくさんの世界が浮遊しています。
どれを手に取るかは、その人それぞれが決めてよいのです。
ある人は美しくて心地のよい世界ばかりを集めていました。
ある人は誰からも拾われない世界を拾って愛していました。
そんな風に、私たちは世界を集めています。


私は何が気持ちよい世界なのかすぐに解るので、
そればかりを集めたい気持ちに駆られる事もあるのですが、
そうではないよ、とどこかでストップがかります。
誰からも拾われない、惨めで、悲しくて、面倒な世界も、
気になってしまうのです。
そして拾って、まじまじと眺めるのです。
すると、そこには美しい音が流れていることに気がつきます。
しっかりとそこに存在している音です。
生命が流れている音を聞いて、私はドキドキしています。
私という存在はそんな風にあらかじめ世界が存在してないと、
存在していないかのようです。


くるくると、このまま流れて行こうと思っています。
たくさんの世界をみて、聴いて、触れて、
わたしの世界はくるくると回っています。
次はどんな世界を見ようと、いつも楽しみにしています。


私はたぶん、君たちを愛しているのだと思います。
誰ひとり残らず、私が触れた世界の全てを、
私は、愛していきたいと、ほんとうは、そう、思っているのです。