海のちから

今日は海に足を入れた。
手も入れた。
海水は適温で、
まるでお母さんのお腹の中みたいだった。
誰かに、「君はここから産まれたんだよ」って、
言われても納得いくとおもう。


海はやさしくて、
あたたかった。
お母さんだった。
でも、津波でたくさんのものたちを、
飲込むエネルギーを秘めているかんじも、
感じた。
毎年海水浴をして、
溺れて死ぬ人がいるのも、
よくわかる。
自然とはそういうものだ。
時々気まぐれに牙をむく。


海はエネルギーそのものだ。
体の奥で、
波の音がする。
体が貝殻になったみたいに、
海の音を吸収したみたい。


次に私の体に耳を当てることのある人は、
海の音がするかもね。
今日、わたしは海を吸収した。