海へ帰る

今日も海のことを考えていた。
海はもしかして、エネルギーを充電するというよりも、
心のもやもやを吸い取ってくれたんじゃないかと思う。
手と足を海に浸した瞬間に、
するん、と取れたのではないかと。
いつの間にか抱え込んでいた何かを、
全部持っていってくれたのではないかと、
そう思う。


海に時々触れたい。
海は生き物だ。
特別なものだ。
飲込まれないように注意しながら、
おそるおそる海に近づいて、
ゆっくりとお礼を言って、
海に寄り添いたい。
海とはそういうことをするものだったのだ。


いつか海で溺れ死んでもかわまわない。
それぐらいに、
海が愛おしい。
「死んで灰になったら海に撒いて」
っていう気持ち、
なんだか凄くわかる。


海に戻りたい。
海とひとつになりたい。
海になって、
生き物を育み、色んな世界をみたい。
陸はもうそろそろ飽きてきた。


いつか私は海に帰る。
そう決めた。