光と闇

「人はなぜ自殺するのだろうか」
と、考えている。
どうして自らを死に追いやるのだろうかと。
この世界の光と闇の量が一定量だとして、
光にしがみつき奪い取る人間がたくさんいたら、
全体的に光の分量が足りなくなり、
闇が極地的に濃く深まり、闇に支配され、
ついには飲込まれて死んでしまうのではないかと、
ふと、思う。
世の中では光の奪い合いみたいなことが行われていて、
そのゲームに乗じているときは、
楽しめるけれど、ふと、離れて観ると、
なんだかえげつないことが行われている、
ということに気付いてしまったら最後、
もう光がこちらにやってくることはない。


それでも人間は闇の中でも生きていける。
光の届かない深海で、深海魚が生きているように、
生命力を持って生きていける。
人間はどんな状況でも生きていく。
闇を食べ、私たちは、生涯を終える。


光は痛い。
光は暴力だ。
光は卑しい。


誰も観た事のない風景を見る。
記録して、記憶する。
そういうことに専念しよう。
ドロドロとした、
でも生命力を持った、
生き物として、世界を突き進もう。