真っ黒い底辺

統合されないつらさ。
ばらばらになっていく痛さ。


自分が何を望んでいるのか、
わからなくなる瞬間が一番きつい。
何者でもないわたし。
世界が分離し、
ばらばらになって、
私は散り散りになる。


宇宙に点在して生きている私。
私は点々の生き物。


ただ黙って、
痛さを受止めて、
発狂する一歩手前で立ち止まって、
世界は、ぐにゃり、と捻曲がる。


この状態をなんと呼べばいいんだろう。
精神医学的には、色々な病名をつけられそうだけど、
病気と判断されるのは厭だ。
全うな感覚で、真っ当に生きようとすると、
人は病気と判断される。
そんな時代なのだろう。
色々なことがキャパシティオーバーで、
あれもこれもと受止めようとすると、
私はきつくなり、
真っ黒い何かが、底の底のほうからやってきて、
フリーズした私を、ゴクリと、飲込んでいく。


私は田舎で生きている。
田舎で世界を眺めている。
世界のはじっこがここにある。
世界はいつ終わるんだろう。
早く終わればいいのに。
早く終わればいいのに。
そんなことばっかり願って、
私は田舎で生きるんだろうか。
真っ黒いそれが、私を飲込むんだろうか。
その日がくるのを、じっと待つしかないんだろうか。


真っ黒い底辺がここにある。
真っ黒い底辺をもっと覗く。
真っ黒い底辺を掘り進むと、
突然天上に出るんじゃないかと期待して、
私は真っ黒い底辺を掘り進める。