透明なそれ

言葉にならない透明なそれ。
透明なそれが、私をキーボードに向わせる。
何かを出そうとする。
狂おしいほどの、気持ちの中で、
それはなんだろう、と一人考え込む。


愛?


狂おしいのだ。
もう、いつ狂ってしまってもいいぐらい、
それを見つめていると、どうかしてしまう。


いくつもの糸をしゅるしゅると出して、
私は私であることを固定させる。
より濃く、深く、強く、あろうとする。


一本の刀でありたいと思う。
せっせと人知れず研ぎすませ、
ズバッと切る。
切って、切って、切りまくって、
荒野に出る。
あるいは宇宙のど真ん中に出る。


ココハドコ キミハダレ


君は君で、僕は僕だよ。
どうしてバラバラになってしまっているんだろう。
ほんとはひとつだったのにね。
さみしいね。かなしいね。
でもそれがこの世界で生きるってことなんだよ。
いつか、僕らはまた出会うだろう。
出会って、一番最初に気付くんだ。
「やあ、ひさしぶり。元気にしてたかい。
僕はまあまずまずだよ。」
そんな瞬間をいつだって待っているんだよ。
馬鹿みたいだね。
ほんと馬鹿みたいだって、つくづく思うよ。