めんどくさい人間

同じカテゴリーをずっと楽しめる人はいいなーと、
思ったのだ。
私はすぐ飽きてしまう。
色々なことに飽きる。
違う刺激を求めて彷徨う。
そんなことを繰り返している。
ずっと。


それってめんどくさいんだ。非常に。
同じところに留まってずっと楽しんでいたい。
だけど、自分の中の何かがそれを許さない。
無理してそこに留まっていたら、
間違いなく心は憂鬱になる。
憂鬱にならないように、
重い腰をあげて私はどこかに出掛けなくてはいけない。
それが、めんどう。


みんなが遠くなる。
随分遠い世界に来てしまったような気がする。
誰も私とコミットしたいと思う人間はいないし、
私も誰ともコミットしたくない。
そんな風になって、存在が薄らぐ。
薄らいでもいいと思うんだ。
だってわたしは確かにココに居るもの。
漫画や小説の世界に夢中になってしまっているのだったら、
それがわたしの世界。
目には見えていないけれど、
確かにここにある世界。
だから、わたしは、抗うように言葉にする。
言葉、言葉、言葉。
言葉が私の存在を証明してくれる。
言葉は大切。でも、言葉は要らない。
言葉は便利。言葉はとりこぼす。


どうしてこんなにも私は私でいることを残したいのだろう。
それは生きているから。
私は生きていることがどれだけ貴重なことか知っている。
無意識のうちに。本能で。
野生が目覚める。


私の中にオオカミがいる。
グルルと唸る。
誰か近づいてきたら噛み付く。
おびえている?
おこってる?
私はこの世界のもの全てを恨んでいる?
いい気分になったこともある。
美しいと思えたときもある。
でも、本当は、その奥に潜んでいる生き物がいる。
見つけてあげる。
見つけて、おいでおいで、して、よしよし、する。
犬は噛み付く。手か血がでる。
痛い。いたい?
ダラダラと血が流れる。
生きてる。
生きてる。
私は生きている。
生きてる。
だから何?
どういう意味がある?
私はいつも考えている。
人間が生きる、その意味を考える。
いみ?


じわじわと私を真綿のように近づいてくる力がある。
その隙間を狙って、逃げて、生きのびる。
逃げろ、逃げろ、逃げろ。
死ぬな、生きろ。
死ぬ?生きる?
生きるてるとどういうことがある?
使命なんて最初からない。
ただ世の中を眺める。
受信する世界を眺める。
そう、ただ眺める。
眺めたままを言葉にしてみる。
それは意味があるのか、
私にはわからない。
わからないけれど、
眺めたことを言葉にできることは快楽だ。
快楽?いや、時間を忘れる瞬間。
私は時間を忘れたい。
今日が終わって明日が来る。
そんなことは忘れてしまいたい。
全てはゲームだ。
生きるか死ぬか。
殺されるか殺すか。
そういう殺伐とした世界だ。
平等な世界なんてありえない。
この世は矛盾だらけで、
気休めの言葉でみんなは子供みたいな顔して笑ってる。
みんなそれでいいみたい。
そのふんわりとした真綿みたいな世界で暮らしたいみたい。
ベビーベッドで赤ちゃんが寝っ転がって、
お母さんがカラカラとおもちゃを振ってるのを、
眺めていたいみたい。
そんな風に色んな感覚を遮断しないと、
日本人はもう生きていけないから。
闘えない。
闘わない。
えへへへ、って照れてるの。
馬鹿にされて、支配されるの。
それでいいの。
私たちは永遠に子供で居続けることを選んだ、
そういう民族。